ペリメータストラクチュアからスケルトンモノコックへ『部品化木造住宅 試作A棟』『いえづくり‘85誠和案』

ペリメータストラクチュアからスケルトンモノコックへ『部品化木造住宅  試作A棟』『いえづくり‘85誠和案』

ペリメータストラクチュアからスケルトンモノコックへ『部品化木造住宅 試作A棟』『いえづくり‘85誠和案』

前回、黒川哲郎の木構造のオリジン『田中邸』から三つのテーマ、

①構造の木造と鉄骨の、そして仕口の木と金属のハイブリッド構法
②軸組とパネルの組合せ、
③大屋根構造である

が派生しているとし、①について記しました【建築文化1985年4月号】

今回は②と③の解題です。

「2×4工法、枠組構法というのは合理的であるが、その合理性は、日本の軸組とは別の意味で、というべきであろう。素材はすべて構造材としてグレーディングされ、材種はその意味だけで評価され、寸法系列が明確で、プラットフォーム工法だなどは、確かに軸組より合理的である。しかしプランニングとの関係でみたとき、2×4の内部の壁の制約は小さくないし、完成した時点でシステム的にクローズドしてしまう。開口部の取り方では、軸組に応力を集中する方が大きく自由に取れ、開放的で有効である。

そこで、構法の上でも工法の上でも、2×4の良いところだけを拝借して、軸組と組合せようというのが②の考えである。」

この試みを『部品化木造住宅 試作A棟』『いえづくり‘85誠和案』と続け、集成材の利用によって「軸組み+パネル」を一般的な工法や構法となるのではと思ったようだ。(のちに自著作『建築のミッション』で、「今日では多くのハウジングメーカーに普遍的な構法だが、「壁でつくった箱」の日本の家として、忸怩たる思いの残るケーススダティとなりました」と述べています)

そして、

「③は、昔からの寄せ棟など、構造的に安定した架構を軸組に載せて安定を図るという考えを下敷きにしている。その空間的利用は、ボリューム的にも住宅をコンパクトにし、結果的に屋根勾配を大きくでき、総2階にならざるをえない都市住居を形態的にも救ってくれる。そして軸組部でのペリメータストラクチュアは、架構部にも連続した一体のものとできる。これはバスのコーチングビルディングのシステムでいう、スケルトンモノコック構造に似ている。最近の観光バスの大きな連続窓は、骨組と外被応力膜の考えを組合せて一体に働く構造システムを生みだした

ここで私の3つのテーマは、ペリメータストラクチュアの考えと無理なく一体のものとなり、スケルトンモノコック住宅のモデルが形づくられた。」

と述べ、いよいよ『山本邸』へと続いていきます。

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